作品研究 け

★★★・・ けいおん!【けいおん!】

軽音楽部の部員が合宿に行く際、列車に乗っている表現が見られる。 海が見えた所で勢いよく窓を全開にするのだが、本来、あのタイプの列車の窓は上半分、もしくは下半分しか開かない。 上いっぱいにあげた窓を収納するスペースがないのである。この場合、窓ガラスは列車の天井を突き破って上に出なければおかしい。 ちなみに元にしたのは北近畿タンゴ鉄道と思われる。

また、京都各地をモデルとした描写が多く見られ、叡山電鉄の修学院駅近くにある踏切がオープニング映像をはじめとして本編中にも何度か登場する。 アニメを制作したのが京都アニメーションと呼ばれる会社であるからして、もちろん京都にスタジオがあるわけだから、今回は近場ですませられて取材は比較的楽だったのではないだろうか。

完璧なる余談であるが、アニメの人気にあやかってか、動画共有サイトにおける、けいおん!を下敷きにした鉄道に関する動画投稿の多いこと多いこと。 「けいはん!」「けいおう!」「けいきゅう!」「けいせい!」等々。 そういえば鉄道会社の略称には4文字のものが多いんだ…ということに気づかされる一幕。 一連のいわゆる萌えマンガ&アニメに於ける4文字ブームの先駆けが鉄道会社の略称に見える。覚えやすい。言いやすい。

★★★★・ ゲゲゲの鬼太郎【げげげのきたろう】

原作は「墓場の鬼太郎」というマンガ。「ゲゲゲの鬼太郎」の題名で幾度となくアニメ化されているが、マンガにもアニメにも「幽霊列車」の回が存在する。 しかしながら、マンガ、そしてアニメ(何回かアニメ化されているので複数ある)によってそれぞれ話が微妙に異なる。 大まかな流れとしては、主人公である鬼太郎といざこざを起こしたサラリーマンが電車に乗って帰宅する際、鬼太郎がその電車を使って仕返しをするというものである。 クオリティーとしてはまあまあであろう。ただし、マンガ版では3灯式信号機になぜか腕木の付いた信号機など、よくわからないものも登場している。そして、列車の編成長がコマによって変わっている。

原作者の水木しげる氏の出身地は鳥取県境港市であり、JR境線では、ゲゲゲの鬼太郎の登場人物を車体に描いた車両が運行されている。

★★★・・ ケロロ軍曹【けろろぐんそう】

オープニングの曲「ケロッ!とマーチ(作詞:もりちよこ氏)」の中に「閉まるドア 小指はさんだ 飛び乗ったら行き先ちがう」との表現が見られるが、駆け込み乗車は危険なのでやめた方が良い。 ちなみに第257話以降のオープニング映像では背景に「上井草(かみいぐさ)」と書かれた駅名標が見える。 上井草は西武新宿線に実在する駅で、このアニメの制作を手がけたサンライズの最寄り駅であることから、この駅が選ばれたと思われる。 余談ではあるが、サンライズは機動戦士ガンダムでも有名であり、上井草駅の発車メロディーは機動戦士ガンダムの主題歌「翔べ!ガンダム」。ケロロ軍曹にはガンダムに関するネタが数多く登場する。

また、地球を支配するには普段人々が使う鉄道を支配するのが良いという、確かに一理ある理念を元に、鉄道経営に乗り出したことがある。いつものお約束で最終的には失敗した。